令和6年1月1日以降、これまで問題視されていたタワマン節税が規制されることとなる。
今回はその規制の内容についての解説をしたい。
そもそもタワマン節税とは、物件の市場価格と相続税評価額の差を利用した節税方法である。
相続対策では、不動産を活用するケースが多く存在するが、これは現金や有価証券などの相続税評価額が基本的に相続開始時の客観的な時価が基準となる一方、不動産は時価ではなく、土地は路線価(時価の8割程度)、建物は固定資産税評価額(時価の6割程度)で算出され、時価よりも低く抑えられるためだ。
特に、タワーマンションのように高層階になるほど戸数が多くなり、マンション敷地を共有する1戸あたりの土地の面積(敷地利用権)も少なくなるので、結果として相続税評価額がその近隣の戸建て住宅よりも低くなる傾向にある。
更に、同じマンションでも高層階になるほど購入価格と相続税評価額の差が大きい。
例えば1階部分と最上階部分とで、もし同じ間取りならば、土地も建物も相続税評価額は同じだ。
これは、土地は敷地全体の路線価評価に基づき評価した金額を、建物は1棟全体の固定資産税評価額を、それぞれ各戸の所有者の敷地権割合で按分して算出するからだ。
このように、特に都心のタワーマンションにおいては市場価格と相続評価額とが大きく乖離しているケースが多くみられていたため、課税の公平の見地からみても好ましくないという理由で今回の改正に踏み切ったというわけである。
改正される評価方法の詳細ページを掲載する。
「評価乖離率」の意味するところは、
A築年数が新しいほど評価額が大きくなる
B総階数が高いほど評価額が大きくなる
C所在階が高いほど評価額が大きくなる
D敷地権割合が小さいほど評価額が大きくなる
タワマン節税改正