相続人になった! まず、何をすればいい?
相続人になったら、まず、何をすればいいのかを期限の早いものから大まかな手続きの流れを見ていきましょう。
死亡届、死亡診断書
死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に死亡者の死亡地、本籍地または届出人の所在地の市町村役場に提出しなければなりません。死亡届は死亡診断書とセットになっており、死亡診断書は医師に記載してもらう必要があります。
遺言書の有無の確認
相続の手続きを進めるにあたり、まずは遺言書の有無を確認しましょう。
相続の手続きが全て完了した後に遺言書が出てきた場合は手続き全てをやり直すことになります。公正証書遺言の場合は公証役場で保管されている場合があります。
また、自筆証書遺言があった場合は、まず裁判所で検認の手続きをとる必要があります。この手続きは数カ月かかりますので早急におこなってください。
法定相続人の調査
亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を入手し、法定相続人を確定させます。
相続財産の調査
亡くなった方のすべての財産(負債)を確定します。金融資産(預貯金、有価証券)、不動産、出資金、債権債務、生命保険等を確認します。
相続放棄・限定承認
相続放棄または限定承認をする場合は、相続の開始があったことを知った日から3カ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。
相続放棄とは、相続財産に関するすべての権利や義務を放棄することです。
財産より借入金の方が多い場合、相続放棄をすれば借入金を引き継ぐことはありません。限定承認とは、相続によって受け継ぐ財産の範囲内で借金などの債務を引き継ぐことです。借金の方が多い場合でも相続人の財産で返済をする必要はありません。
準確定申告・納付
被相続人に所得があった場合、相続人が所得税の申告及び納付を行う必要があります。これは相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければなりません。
遺産分割
相続人と財産が確定したら、誰が何を引き継ぐか、つまり遺産分割協議を行います。これは相続人全員による話し合いが必要になります。
話し合いがまとまれば「遺産分割協議書」を作成します。この遺産分割協議書に従って、遺産の名義変更や解約の手続きを順次行います。
相続税申告・納付
相続税の申告の提出及び納付をします。
これは相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行わなけれなりません。相続税がかからない場合でも「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」などの税制面での特例を受ける場合は、税務署に申告する必要があります。
これらの特例は、原則として申告期限までに遺産分割協議がまとまらないと適用できないとされていますので、余裕を持ったスケジュールで進めましょう。