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確定申告における”勘違い”~青色申告特別控除~

所長のひとりごと

令和2年分の確定申告から青色申告特別控除額が一部変更となった。
変更後、既に3度目の確定申告時期を迎えることになるが、今一度確認をしておきたい。

そもそも青色申告とは、不動産所得、事業所得、又は山林所得を生ずべき『業務』を営む個人が「青色申告承認申請書」(届出書ではない)を提出して承認されることにより青色の申告書で確定申告書を提出することである。

青色申告以外の申告(俗に言う“白色申告“)に比べて幾つかの税制上の有利な点があるが、そのひとつが「青色申告特別控除」。

これは平たく言えば、普通に所得計算を行った後に10万円、あるいは55万円(電子帳簿保存法により保存しているか又はe-Taxにより確定申告期限までに提出すれば65万円・・・ここが改正になった)を控除するというものだ。

この55万円(又は65万円)を控除するには以下の要件が必要となる。

(1)不動産所得または事業所得を生ずべき『事業』を営んでいること。(山林所得は適用外)

(2)これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

(3)(2)の記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、その年の確定申告期限(翌年15日)までに申告書を提出すること。

以上が法令等により定められている。

ただし、これには留意事項がある。

(1)不動産所得における『事業』とは、事業的規模が客観的に認められることが必要となる。この事業的規模の法令上の定義はないが、国税庁による所得税基本通達(法令ではない)では、5棟10室(駐車場の貸付の場合は5台分を1室に換算)となっている。ただし必ずしもこれに従うことが必須条件ではない。要するに、その事業で生計を立てている状況であれば、必ずしも上記基本通達通りに判断する必要はないものと個人的には思う。

(2)複式簿記とは、資産、負債、純資産、費用、収益、が増減することを取引と定義し、その取引における金額を「原因」と「結果」の観点から借方と貸方に振り分け、それぞれ同一金額を左右に記録してゆくことである。これを仕訳と言うが、この仕訳帳に記帳された日々の仕訳に基づいて集計された (通常1年間)上記5項目の金額が、それぞれ貸借対照表及び損益計算書の勘定科目の残高に反映されて決算書が完成される。

(2)の要件を満たさずに形式的に(1)について申告書上(青色決算書)に表現している例が散見されるが、それが後に発覚した場合には、遡って55万円(又は65万円)が取り消されて10万円の控除となってしまうので、そのあたりを考慮に入れて申告書作成をして頂きたいと思う。

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