相続に関するご質問
Q. 相続ってまず何から始めればいいの? A.期限の早いものから大まかな手続きの8つの流れ(Step)で見ていきましょう。 Step1:死亡届、死亡診断書 死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に死亡者の死亡地、本籍地または届出人の所在地の市町村役場に提出しなければなりません。死亡届は死亡診断書とセットになっており、死亡診断書は医師に記載してもらう必要があります。 Step2:遺言書の有無の確認 相続の手続きを進めるにあたり、まずは遺言書の有無を確認しましょう。相続の手続きが ...
Q. 相続人の範囲と法定相続分について教えてください A. 相続人が一人だけなら遺産争いは起きません。民法では「法定相続分」が定められています。 相続人の範囲 亡くなられた方の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。 第1順位 死亡した人の子供 その子供がすでに死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。 第2順位 死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など) 父母も祖父母もいるときは、死亡し ...
Q. 相続法が約40年ぶりに変わったと聞きましたが、相続の何がどう変わりましたか? A. 平成30年7月に相続法が大きく改正されました。相続に関するトラブルを防ぐために、民法では、誰が相続人となり、また、何が遺産にあたり、被相続人の権利義務がどのように受け継がれるかなど、相続の基本的なルールが定められています。 この民法の相続について規定した部分を「相続法」と言います。相続法は、昭和55年(1980年)に改正されて以降、大きな改正は行われていませんでしたが、高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約 ...
贈与に関するご質問
Q. 贈与できる人には範囲があるのですか? A. 贈与は、誰にでもいくらでもできます。ただし、もらった人が一定額を超えてもらった場合には、贈与税がかかります。 贈与税の基礎控除額は、年間(1月1日~12月31日)で110万円です。 この額を超える額をもらった場合には、翌年の2月1日~3月15日までに、贈与税の申告及び納税義務があります。 例えば、 父から100万円、母から30万円もらった場合には、その子は合計130万円もらったことになりますから、この場合、2万円の申告納付義務があります。 {(100+30 ...
Q. 自宅とその敷地を妻に贈与しておきたいと考えています。贈与税は、かなりかかりますか?自宅とその敷地の相続税評価額は2,200万円です。なお、妻との婚姻期間は今年で23年になります。 A. まずは、贈与税の配偶者控除の条件からご理解ください。 その贈与を受ける日で婚姻期間が20年以上である場合(婚姻の届出をしてからの年数) その贈与を受ける以前に、当該配偶者からの贈与について、この規定の適用を受けたことがないこと その贈与を受けた翌年3月15日までに居住の用に供し、その後も引き続き居住の用に供する見込み ...
Q. 孫に生前贈与をしたいと思いますが、気を付けることはありますか? A. 孫の贈与でよくやってしまう間違いが2つあります。 孫に贈与の事実を知らせない 贈与したのに自分がお金を管理している 贈与は贈与契約という形の契約です。 契約にはお互いの合意が必要である以上、お孫さんが若くても「亡くなるまで財産を隠しておく」ことはできません。それをやってしまうと贈与契約が無効となってしまいます。おそらく法定相続人がもらうことになるでしょう。 例えば、孫の名義で通帳を作っていたとしても孫への贈与は無効に ...
故人の残した預貯金口座に関するご質問
Q. 銀行口座の凍結って何ですか? A. 口座が凍結されるのは「銀行が口座名義人の死亡を知った時」です。 口座名義人の預金に関する相続人間の争いに巻き込まれないようにするために銀行が口座を凍結するのです。 本来預金などの金銭債権と呼ばれるものは、判例によれば、相続開始と同時に法定相続分に応じて当然分割されて各相続人に移転するとされています。 相続人が自己の法定相続分について銀行に払い戻しを求めた場合、銀行はそれに応じなければならないはずです。 その時に、一部の相続人だけに預金の支払いを行ってしまうと、相続 ...
Q. 口座が凍結されたら、一切お金が引き出せなくなりますか? A. 口座が凍結された場合でも引き出す事ができる場合があります。 故人の口座が凍結されると困るのが「葬儀費用」「当面の生活費」「公共料金の引落とし」ですね。 葬儀費用や当面必要となる生活費については、銀行に相談すれば銀行で定められた必要書類を提出することによって、故人の口座から払い出してもらうことができます。 注意が必要なのは、公共料金やクレジットカードなどの自動引き落としになっているものです。 口座が凍結されてしまえば、自動引き落としにしてあ ...
Q. 葬儀費用を父の残した預金から出したいが、大丈夫ですか? A. 故人の預金を処分した場合は相続の類型の「単純承認」に該当して、後日相続放棄などができなくなる可能性があります。 しかし、葬儀の場合はこの例外で、故人の身分に相応しい葬儀であるならその葬儀費用を故人の残した財産から出すのは財産の処分にはあたらないとされています。 ちなみに、葬儀費用を誰が支払うかという事は法律で決められておりませんので、まずは相互扶助の考えで喪主に贈られた香典を葬儀費用に当て、それで足りない場合は、故人の財産から捻出すると考 ...
生命保険に関するご質問
Q. 生命保険金って誰のものですか? A. 結論から言うと、「保険契約時の契約内容によって変わる」となります。 例をあげてみますと (ケース1) ご主人と奥様そしてお子様2人の4人家族の場合で ご主人が自分で自分に生命保険をかけて、保険金の受取人もご主人自身にしていた場合(被保険者、保険契約者、受取人がすべてご主人の場合ということ)は、保険金は相続財産になります。 ご主人が亡くなったことによって支払われた保険金は、奥様とお子様で法定相続分で分けることになります(奥様1/2、お子様はそれぞれ1/4づつ)。こ ...
Q. 生命保険金を受け取ったら、相続放棄はできなくなりますか? A. 相続放棄をすることによって故人の生命保険金が受取れなくなるかどうかは保険契約の内容によって変わります。 自分で自分に保険をかけて、その保険金も自分で受取るという内容の契約です。 このような内容の保険の場合は保険金受取人が「死亡者本人」となっていますので、支払われる保険金は死亡者本人の財産となります。 ですから、相続人が相続放棄をした場合は、相続財産である保険金の受取りは出来ないことになります。 また、相続放棄をした後に相続財産とされる保 ...
Q. 生命保険で相続税対策をするメリットは何ですか? A. 相続税対策を行ううえでは生命保険を掛けておくことのメリットは大きいです。 それでは生命保険で相続対策するメリットをご説明します。 500万円法定相続人の非課税枠がある 生命保険金はみなし相続財産として、相続税の課税対象となります。しかし、死亡保険金の受取人が法定相続人の場合、保険金のうち、500万円×法定相続人の数までは非課税となります。例えば、法定相続人が3人いる場合は死亡保険のうち1,500万円までは非課 ...
遺言書に関するご質問
Q. 遺言書は社長とか資産家が書くものですか? A. 遺言書は多くの方が遺言書は社長とか資産家が書くものと思っているかも知れませんが、そうではありません。 相続でもめるのは遺産総額5000万円以下の場合が多いのが現状です。遺産総額5000万円といえば、主な財産が自宅不動産と多少の預貯金のみということがほとんどです。 このようなケースで相続人が複数いる場合、平等に分けようとすると自宅を売り払わなければなりません。 しかし、同居していた子供がいたらどうでしょうか? 自分が住んでいる家を売ることに簡単に同意でき ...
Q. 葬式後、遺言書を見つけました。どうしたらいいですか? A. 遺自筆遺言書を発見した場合、ご自分で勝手に開封してはいけません。 遺言が開封されていない場合、遺言の内容が改ざんされてしまう事を防ぐため、勝手に開ける事は法律で禁止されています。また、誤って開けてしまった場合、法律では過料(5万円以下)が科される事となっております。 勝手に開封してしまうと、他の相続人から内容を改ざん、捏造されたのでは無いか、などと疑いを掛けられてしまうほか、もめごとや裁判になってしまう場合もありますので、正規の手続きを踏む ...
Q. 遺言をしたいと思いますが、自筆証書遺言、公正証書遺言のどちらにするか迷っています A. それぞれに特徴がありますので、特徴を理解して、どちらがよいか選択しましょう。 自筆証書遺言は、字が書ければ、いつでもどこでも書くことができるし、その存在、内容を秘密にでき、費用もかかりません。 その代わり、遺言の内容が曖昧だったり、不明確だとかえって相続人の間で争いになったり、記載に誤りがあった場合は訂正方法も難しく、また、方式を守らないと無効になります。 遺言の保管にも注意が必要で、遺言書があることを知らずに相 ...
遺産分割協議に関するご質問
Q. 遺言の内容と異なる遺産分割はできますか? A. それぞれに特徴がありますので、特徴を理解して、どちらがよいか選択しましょう。 遺言が無い場合でも必ずしも法定相続分に従う必要はなく、相続人全員の合意で自由に分割することができます。 ただし、遺言による遺贈があれば、受遺者の同意も必要です。 遺産分割協議書は法律で規定されているものではなく、必ず作成しなければならないわけではありません。 しかし後日の紛争を避けることにも協議の内容を明確に記載して書面に残したほうがよいでしょう。
遺産分割協議で長男が全財産を、他の相続人は財産放棄すべきか?
Q. 遺産分割協議で長男が全財産(借金を含む)を相続することになりました。他の相続人はわざわざ財産放棄の手続きを取らなくてもいいですよね? A. 共同相続人の内の誰かに相続財産をまとめて相続させるために、遺産分割協議書にその他の共同相続人の相続分割合を0(ゼロ)として遺産分割協議書を作成することがあります。 しかし、遺産分割協議書で借金などの債務も全て共同相続人の内の一人が相続するとして、その他の相続人は何も相続しない旨の遺産分割協議書を作成したとしても、それはあくまで共同相続人間の決め事であり、債権者ら ...
Q. 相続人の一人が認知症で意思能力がない場合どうすればいいですか? A. 成年後見人をつけて遺産分割協議を行う方法があります。 相続人の一人が認知症で通常の判断ができない場合、その相続人の方は遺産分割について協議を行うことが出来ませんから、成年後見人をつけて遺産分割協議を行います。 後見人は、家庭裁判所に後見人の選任を申し立てることによって選任されます。後見人が遺産分割協議を行う場合、被後見人(認知症の相続人)の相続分は、原則法定相続分になることが多いです
相続税対策に関するご質問
Q. 相続税がかなりかかると言われています。生命保険には加入していませんが加入しておくべきでしょうか? A. 相続税がかかる方であれば、生命保険の非課税枠を上手に活用することで相続税を軽減させることができます。 生命保険は、①相続税の節税、②納税資金の準備、③遺産分割の調整に活用できます。 生命保険の非課税枠は、<500万円×法定相続人の数>です。 具体例を見てみましょう。 相続人が妻と子供3人の計4人だった場合、現状の財産が3億円だとすると、予想される相続税は2,000万円です。(相続人が法定相続分通り ...
Q. 賃貸マンションを建設すると相続税対策になると聞きましたが、本当ですか? A. 不動産の有効活用は相続税対策の代表格です。 不動産の有効活用は相続税対策の代表格ですが、活用方法を間違えると何の相続税対策にもなりません。 父親の土地の上に父親の建物を建てるのと子供の建物、会社の建物を建てるのとでは全然違った対策になってしまいます。対策の入り口が非常に大切ですので、早い時期にご相談ください。 不動産投資をする場合に、一番大切なことは節税より物件の収支です。 収支、資金繰りを軽視して節税に目を取られると苦労 ...
Q. 父親が亡くなったのですが、不動産も多くかなりの相続税が課せられそうです。少しでも節税できる対策があれば教えてください A. 一般に、「相続が発生した後からは何もできない」「遅きに逸した」「今更誰に相続税の申告を任せても結果は同じ」との見方をされがちですが、実はそうではありません。 相続発生後にもできる節税対策、しかも合法的な策は存在します。相続発生後にできる節税対策のポイントは、大きく分けると以下の3つです。 ①分割方法 誰にどの財産をどの位分けるか ②財産評価 被相続人の財産をどう評価するか ③納 ...