相続税・贈与税の評価額の基礎となる令和5年分路線価等が、本日発表となった。
毎年7月1日が公表日となっているが、今年は暦の関係で3日となった。
本年分の全国平均路線価は1.5%の上昇となり、昨年の0.5%を1ポイント上回った。昨年から緩やかな回復がみられていたが、今年は新型コロナの影響を脱したことにより、昨年以上の回復となったといえる。
上昇の要因としては、コロナ禍で大きく減少していた訪日客数が戻りはじめたことから、今後の更なるインバウンド需要を見込んで上昇地点が広がったほか、在宅勤務から通常の出社に戻る企業も多く都市部のオフィス需要についても回復傾向にあること、また、都心についてはマンション需要が依然として根強くあり、円安かつ低金利が続いている状況も相まって日本の不動産が海外投資家の投資対象として注目されていることなどが考えられる。コロナ禍において路線価が下落したうえで回復後に急な上昇がみられる地域もあるため、思わぬ税負担が生じないよう留意しておきたい。
上記のような要因から繁華街や観光地、都市部のオフィス街などを中心に路線価が上昇しており、三大都市圏については、東京都3.2%、大阪府1.4%、愛知県2.6%の上昇となっている。なお、上昇率の大きかった東京都の地点別の路線価最高額は、今年も中央区銀座5丁目の「鳩居堂」、「GINZA PLACE」、4丁目の「和光本館」、「銀座三越」前で、1平方メートルあたり4,272万円を記録し38年連続全国路線価トップとなった。
これは、花小金井1丁目にある私の事務所のおよそ200倍になる。
上記のとおり、令和5年分路線価については繁華街や観光地を中心に上昇が目立つ結果となった一方で、地方部については下落が続いている地域もあり、コロナ禍前から問題とされている2極化については、以前解消が難しい状況となっている。