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令和5年度税制改正①・・・「暦年単位課税制度における生前贈与加算の期間の延長」

税金コラム

令和5年度税制改正に関する「所得税法等の一部を改正する法律案」が令和5年3月28日に国会で可決・成立した。

その改正項目の目玉のひとつ、“暦年単位課税における生前贈与加算の期間の延長”については、新聞・テレビ等でよく目にする。

そして、暦年贈与による生前贈与を行っている人も多いと思うし、これから計画している人もいるのではないだろうか。

暦年単位課税とは、その年1月1日~12月31日の1年間に贈与を受けた財産(金銭、不動産、有価証券その他金銭的な価値あるもの全て)の価額を基に贈与税の計算を行うことである。

この暦年単位課税には110万円の基礎控除額があり、1年間で贈与を受けた財産の価額の合計額からこの基礎控除額を控除し、その残額に対して贈与税が課税される。つまり、財産の価額の合計額が110万円以下ならば贈与税はかからないということになる。

ここまでは、贈与を受けた人の贈与税のお話し。

これが相続時における被相続人からの生前贈与であれば、その財産のうち、相続開始前3年以内のものは、相続税の課税価格に加算した(つまり相続財産にその贈与財産の価額を加算する)価額で相続税が計算されるということになっている。

そして、この加算の対象となる期間が、令和6年分の贈与から現行の3年から7年に延長となる。

ただ、改正の内容をよく見ると、“延長した4年間に受けた贈与財産については、100万円までは相続税の価額に加算されない”

例えば、2018年から2024年まで(7年間)、年間120万円ずつ生前贈与をして(各年の贈与が独立したものとした場合)2025年に相続があった場合、生前贈与加算される金額は、最初の4年間の合計額480万円-100万円=380万円と残りの3年間の合計額360万円。合わせて740万円となる。

ただしこの規定は、あくまでも“相続または遺贈により財産を取得した者”が対象となる。

従って、(その被相続人から)財産の贈与を受けたが、法定相続人でもなく遺贈によっても財産を取得していなければ、この加算の適用はない。

この規定は、改正前と変わらない。

 

 

 

 

 

 

 

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