2023年が明け、そろそろ御屠蘇気分が抜けてきた今日この頃、我々税理士の繁忙期がやって来た。
それと同時に、例年1月15日~3月15日までの期間、「確定申告電話相談」が実施される。
税務署以外の各地域の市役所や商工会などで実施される「税理士による小規模納税者のための無料申告相談」は、その地域の相談者に対して、簡単な申告内容の相談を受け、そのまま提出まで指導してくれる。
そしてこの電話版にあたるのが「確定申告電話相談」だ。
だが「税理士による小規模納税者のための無料申告相談」と違い、相談者の範囲は広く、東京国税局管内(東京、千葉、神奈川、山梨)に居住する納税者からの質問に対して、神田税務署の1フロアー内で、70人~80人の我々税理士仲間が電話で質問に受け付ける。
相談者は、それぞれ自分の住所地の最寄りの税務署に問い合わせると、問い合わせ内容が確定申告に関するものであれば、すべてこの神田税務署の確定申告電話相談センターに転送されるという仕組みだ。
私は、もうかれこれ10年くらいこの業務に従事しているが、当初は相談者からの苦情も多かった。
今から思い返すと、その原因の大半は私の電話対応の悪さに依るところが多かった。
顔の見えない相手に対して、不快な思いをさせずに要領よく答えなければならない。
どうやら私の電話での語り口調は、相手を見下しているように受け取られるらしい。
もちろん、決してそんなつもりはないのだが、私の顔が見えない相談者にとってはそう映るようだ。
もっとも、相談者は最寄りの税務署へかけているので、最後まで自分の話し相手がその税務署の職員と信じ込んでいる。
最初に、「お待たせいたしました。確定申告電話相談、担当税理士の間です」とあいさつしているにもかかわらずだ。
相談者にとって、税金を申告納付するための手順をわざわざ自ら問合せてきているのだから、“お客様扱いして然るべきだ”
こういう思いが、私の電話対応の悪さに拍車をかけていたんだろうなあと今となっては思われる。
さすがに私も、最近は苦情を言われることはなくなってきたし、それどころか、逆に電話対応を(丁寧さや説明の適切さ)褒めてくれる相談者も少なからずいる。
私は税理士会の会務であるこの業務によって、税理士として、人間としての自分磨きと思い、今年も22回従事することになる。